格安SIMが安い理由は? 利用するメリットやデメリットを紹介

格安SIMが安い理由は? 利用するメリットやデメリットを紹介

安くスマホを使いたい方にとって、格安SIMは大きなメリットがあります。しかし、「格安SIMはなぜ安いのか」「何か裏があるのでは?」など、格安SIMに関して悩んでいる方は多いでしょう。ほかのキャリアショップよりも安くスマホや携帯電話が利用できるのは、きちんとした理由があります。その理由やデメリットを把握することで、上手な使い方ができるでしょう。

本記事では、格安SIMが安い理由などについて解説します。

この記事を読むことで、格安SIMを利用するメリットとデメリットが分かります。気になっている方はぜひ参考にしてください。

1.格安SIMが安い理由は?

最初に、格安SIMがなぜ安いのか、その理由をチェックしておきましょう。

1-1.SIMカードを使用した低価格なインターネット通話サービス

格安SIMとは、SIMカードを使用した低価格なインターネット・通話サービスのことです。スマホやタブレット端末の中には、小さいICカードが入っています。それがSIMカードで、電話番号を特定するための固有番号が記録されているのです。SIMカードを差し込むことでiPhoneやAndroidなどのスマホを使って通話やデータ通信が可能となります。つまり、SIMカードは電話番号を記録するためのICカード、通話に必要なものというわけです。

1-2.大手携帯キャリアから回線を借りているから

格安SIMが安い大きな理由は、大手携帯キャリアから回線を借りているからです。そもそも、格安SIMはSIMカードのみを表しており、格安スマホは格安SIMを提供する事業者でセット購入したSIMカードと端末の組み合わせとなっています。そして、格安SIMを販売している事業者のことをMVNO(仮装移動体通信事業者)と呼んでいるのです。他者から回線を借りて独自サービスとして販売している事業者のことを表しています。つまり、ソフトバンク・ドコモ・auといった大手携帯キャリアから回線を借りているからこそ、安く提供できるというわけです。

1-3.実店舗を持たず設備費や人件費がかからない

格安SIMを提供している事業者は実店舗を持っていないところがほとんどです。そのため、常駐スタッフを置く必要がなく、設備費や人件費がかかりません。その分の費用がかからないからこそ、利用料金に還元できるというわけです。中には、楽天モバイルやUQ mobileといった実店舗を持っている業者もありますが、店舗でのサービスを受けたいという方は実店舗を持っている格安SIMにするといいでしょう。

2.格安SIMを利用するメリット

ここでは、格安SIMを利用する主なメリットを紹介します。

2-1.月々の使用料が非常に安い

格安SIMを利用する大きなメリットといえば、やはり月々の使用料が非常に安くなる点です。大手携帯キャリアと契約すると、月々の使用料は約7,000~8,000円が基本料といわれています。けれども、格安SIMを利用している方の月々の料金は約2,000~2,500円です。大手携帯キャリアから格安SIMに乗り換えた場合、月間5,000円ほどの節約が可能になるでしょう。年間でいうと、なんと6万円もの節約ができることになります。

2-2.料金プランが大手携帯キャリアよりもシンプル

格安SIMの料金プランは、大手携帯キャリアよりも非常にシンプルです。基本的に、音声通話SIMかデータ専用SIMがいいか・どれくらいのGB数がほしいかの2点だけ決めるだけで使うことができます。音声通話SIMは電話番号がもらうことができるので電話が可能ですが、データ専用SIMは電話ができず、LINEなどの通話アプリは利用できるものです。一方、GBは数が大きくなるほど月々の使用料も割高になります。使えるデータ数によって細かく料金が異なるため、自分に合ったデータ量のプランを選ぶのがポイントです。

2-3.契約後の2年縛りがない

格安SIMのデータ通信プランを契約する場合、基本的に契約後について2年縛りのような条件はありません。そのため、いつ解約しても問題がなく自分の好きなときに手放せるのが大きなメリットです。大手携帯キャリアの多くは2年縛りの契約となっているので、2年以内に解約してしまうと違約金を支払うことになります。格安SIMはその点で大きなメリットといえるでしょう。ただし、一部の音声通話プランに関しては最低利用期間が数か月~1年縛りになることもあるので注意してください。

3.格安SIMを利用するデメリット

ここでは、格安SIMを利用する主なデメリットを紹介します。

3-1.大手携帯キャリアよりも通信速度が不安定

格安SIMにもデメリットがいくつかありますが、大手携帯キャリアよりも通信速度が不安定な点は大きなデメリットといえるでしょう。大手携帯キャリアの回線を一部借りているだけなので、回線が混みやすくすぐにつながらないケースがあります。特に、回線が多くなる平日は通信速度が遅くなってしまい、イライラしてしまう方も多いのが現状です。また、大手携帯キャリアよりも通話料金が高いというデメリットもあります。

3-2.大手携帯キャリアとサポート方法が違う

格安SIMは大手携帯キャリアとサポート方法が違うデメリットがあります。一般的に、大手携帯キャリアよりもサポート体制が弱いといわれているのです。大手携帯キャリアの多くは店舗や電話でのサポートが可能ですが、格安SIMも場合は基本的にチャット形式でのやり取りとなります。深夜対応ができ回答時間も早いところはありますが、サポートが弱いのは事実です。サポート体制をしっかりと万全にしてほしい方にとっては不安要素となるでしょう。

3-3.購入可能端末が限られている

せっかくスマホを使用するなら最新モデルにしたり、自分が使いたい機種にしたりと自由に選びたいですよね。けれども、格安SIMは購入可能端末が限られているというデメリットがあります。大手携帯キャリアと比較すると、選べる機種が少ない傾向があるので自分が使いたい機種が使えない可能性もあるでしょう。使用したい機種がない場合、格安SIMだけ使いスマホに差し込めば使うことも可能です。選び方に注意すれば、今のスマホをそのまま使うこともできます。

3-4.キャリアメールが使えない

ドコモは@docomo.ne.jpといったキャリアメールが、格安SIMでは使えないこともデメリットの1つです。最近は、LINEなどのアプリでやり取りするケースがほとんどですが、キャリアメールを使用している方もいるでしょう。その場合、格安SIMにすると使えなくなるので注意が必要です。また、キャリアのサービスが使えないのもデメリットの1つとなります。たとえば、大手携帯キャリアが行う決済サービスやポイントなどは使用できません。

4.格安SIMを選ぶポイント

それでは、格安SIMを選ぶポイントについて解説しましょう。

4-1.格安SIMを提供している会社はさまざま

手軽な料金で使用できることから、格安SIMに乗り換えたり、大手携帯キャリア+格安SIMという2つの使い方をしたりする人が増えています。実際に、格安SIMを提供している会社はさまざまです。それぞれの特徴を以下にまとめたのでぜひ参考にしてください。

  • UQモバイル:通信速度が速く、スマホをいつでも快適に使える
  • OCNモバイルONE:格安スマホが大幅割引で月1GBプランもあるので、データをあまり使わない人にもおすすめ
  • BIGLOBEモバイル:YouTubeが無制限で見られる・速度が比較的速い
  • LINEモバイル:SNS系アプリをデータ消費なしに使うことができる
  • ワイモバイル:速度が速くて快適・ヤフーショッピングがお得になる

4-2.自分がどのくらいデータを利用するか

格安SIMを選ぶ際は、自分が毎月どのくらいデータを利用するのか必ず確認してください。現在利用しているデータ量を目安に、格安SIMのデータ量を決めるのが大切なポイントです。格安SIMのプランの中には、日単位でデータ量の利用制限を設けているものもあります。データ量は確認しておきたいところですが、気にしすぎるのもNGです。多くの格安SIMはデータ量を多少オーバーしても高速通信できるデータ量がすぐに追加できます。データ量が月によって上下する人でも安心して使うことができるでしょう。

4-3.通信速度を比較する

格安SIMも通信速度は、大きく分けて高速と低速の2種類があります。高速は大手携帯キャリアとだいたい同じですが、低速の場合、動画や画像を多く読み取ると速度が遅くなるのでイライラしてしまうかもしれません。読み込み速度の遅さに不便を感じてしまいがちです。そのため、格安SIMを選ぶ前にスマホを使用する目的をハッキリさせたほうがいいでしょう。動画や画像を頻繁に見るのであれば、高速がおすすめです。

5.格安SIMに関してよくある質問

格安SIMに関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

Q.SIMカードの主な種類は?
A.SIMカードは標準・micro・nanoの3種類があります。それぞれサイズが異なるため、今使っているスマホを続けて使用する場合はどのSIMカードを差し込むことができるのか確認しておかなければなりません。なお、それぞれの特徴は以下のとおりです。

  • 標準タイプ:縦25mm×横15mmのサイズで最新の端末に採用されることは少ない
  • microタイプ:縦15mm×横12mmのサイズで過去のiPhoneや一部の格安スマホで多く採用されている
  • nanoタイプ:縦12.3mm×横8.8mmのサイズで多くのスマホに採用されている

Q.格安SIMにするリスクはあるのか?
A.格安SIM会社はつぶれるリスクがあります。すぐにつぶれるというわけではありませんが、有名どころの格安SIM会社で1つつぶれたところがありました。また、事業譲渡でほかの企業に身売りされる会社もいくつかあります。格安SIM会社がつぶれるとサービスが終了したり、ほかの会社へ移行したりするなど、さまざまな対処法があるのでそのたびに確認しなければなりません。

Q.どんな人が格安SIMに向いているか?
A.とにかく安くスマホを持ちたい人は格安SIMに向いているといえるでしょう。データ容量や音声通話などの条件を同じにして大手携帯キャリアから乗り換えた場合、月々の使用料が大手携帯キャリアの半額程度になります。また、自分から通話することが少ないという方にもおすすめです。かけ放題プランをつけることがないため、スマホを安く使い続けることができます。さらに、格安SIMはデータ容量によってプランを選ぶことができるので、普段からあまりスマホを使わない人にも最適です。

Q.格安SIMにはどんな条件があるのか?
A.格安SIMの会社によって、さまざまな絞り込みの条件があります。たとえば、申込者限定で特典がつくキャンペーンや、複数枚数利用可能な条件などです。多くのプランでは使用できるSIMカードが基本1枚となっていますが、2枚以上のSIMカードを利用できるプランも用意されています。スマホだけでなくタブレットも使い方にとっては、2枚以上使用できるプランや条件を追加するといいでしょう。

Q.事前に決めておくべきことは?
A.利用する端末を決めることです。格安SIMはSIMカード単体で提供されることになるため、事前に使いたいスマホを決めておかなければなりません。使いたいスマホがある場合、SIMカードの種類も忘れずにチェックしておきましょう。また、特に使いたいスマホがない場合は、SIMカードとスマホ本体がセットになったものを購入するのも選択肢の1つです。

まとめ

格安SIMが安い主な理由は、回線維持費や広告費・人件費を削減しているからです。大手キャリアの回線を借りているため、回線維持費がかからず、その分を使用量に還元しています。ただし、多くのサービスが有料オプションになっているため、端末補償や電話かけ放題・セキュリティーなどのオプションをつける場合、大手キャリアと契約するよりも割高になってしまうでしょう。メリットだけでなく、デメリットも把握することで、格安SIM業者とのトラブルが回避できます。